2014年7月22日火曜日

数独の美

 現在、BSプレミアムで2年前の連続テレビ放送「カーネーション」の再放送をやっている。

このブログのメイン・テーマは数独の格付けであり、その目玉は「数独の美」の評価である。ところが、格付けになぜ美的感覚が必要なのかなかなか分かりづらいところであるらしい。

2年前に連載したブログにそのあたりのことを書いたのがあるのを思い出したので、ここに再掲してみよう。

17. デザインの力

  今日、朝ドラ「カーネーション」(2月4日)を見ていたら、東京から原口先生が小原家をたずねてきて物の形の中に美を込める重要さみたいなものを力説する。
 
  洋服の生地をほめ、電気製品の形を説き、直子の絵に腰をぬかす。あげく、壁にできたひび割れを自らコテで塗り替える。何にでも、形あるものの評価はその中に秘めた美によって価値が出る。そんなデザインの力が必要な時代になってきている。と、デザインの重要性を原口先生は強調する。

 そんな原口節に感化され、二女の直子までが、東京にデザインの勉強にいく決意をするという内容であった。あとはどのように推移するかはわからないが、このうだつの上がらぬ顔立ちの原口先生の熱意には、何かここ数回述べてきたことと同じ心意気を感じた。

 数独の美を追求する意義、そして美が数独に与える価値観のようなものをデザインという言葉を通して、垣間見たような気がした。


「カーネーション」の再放送は、8月初めあたりになるのでしょうか?

2014年7月10日木曜日

文藝春秋 8月号 数独(すうどく) A+

 「駄目だ~ぁ~」 「解けないよ~」「難しいよ~ぉ」野々村議員の号泣が聞こえてきます。数独は解くだけのものではありません。

文藝春秋8月号の美しい数独を観賞しましょう。 問題はこれだ!!




難易度レベルは朝日新聞のBe数独の★3に相当するやさしい問題ですが、「見た目」は特徴あるクラスターを使った美しい数独に仕上がっています。


この数独が美しいのは、3種類の特徴あるクラスターの組み合わせによるパターンであるからです。
数字の選択を今少し配慮すればさらに美しい数独になります。

同じメインクラスターを使った数独の例です。


さらに、同種のパターンの例です。この例では、数字の配列がうまくパターンを盛り上げています。





なお本問題の解答は次のブログをご覧ください。
           http://kmatsu1.blogspot.jp/2014/07/2014a.html








2014年6月14日土曜日

文藝春秋 7月号 数独(すうどく) BB

 文藝春秋7月号の数独の出題は、やさしく、かつ見た目も良くないものです。



問題の解答と解き順です。






見た目と難易度による総合格付けは次の図の黄色い大きな丸の位置です。



見た目を良くするために、対称移動をして、数字の配列を変えて見ました。

その結果、見た目は50point近くまで上がりました。(オレンジ色のマーク) 

その問題は次の二つです。













2014年6月4日水曜日

文藝春秋 4月号 数独(すうどく) A-

 文藝春秋4月号難解考えるパズルPart2 数独(すうどく)は、いつも、やさしいが特徴あるパターンの問題が出題されています。



鉛筆とPCでの「解き味」と「解き順」です。






「見た目」は良く、総合評価ランクは A-となりました。


このパズルの主クラスターである対角状九連クラスターパターンと副クラスターの対角状五連クラスター二組の組み合わせは、清楚で美しいパターンであるため同一パターンの数独が多く作られています。



このパターンを使った同一パターンだが「難易度」の異なる数独を四例紹介します。


































2014年5月26日月曜日

文藝春秋 6月号 数独(すうどく) A-

 文藝春秋6月号には、やさしいけど見た目の良い数独が掲載されています。

問題は次のようなものです。


初心者むけの問題です。朝日新聞Be数独の出題レベルと比べました。


実際に解いて見ました。








                 Order by Pencil


この問題の総合評価は、A-で、「難易度」評価 53point は非常に低いものですが、「見た目」評価 64 point は高く、総合 117pointを獲得しました。


 
総合評価を表す記号と点数の関係は次の表のようになっています。


 
「見た目」が良いのは、矩形状の6粒子C型クラスターを四つ使った配置によるためです。

本作品では、これに1粒子を4つ付加したAlias82型になっていますが、6粒子4つだけのAlias41型になると、さらに美しい数独になります。

6粒子C型コレクションには、次のような数独が登録されています。



この内美しい数独 3つを紹介します。

















2014年5月11日日曜日

朝日新聞 5月10日 Be数独 ★3 格付けBBB- 


  数独の「美しさ」を考慮した総合評価格付けを試みる画期的かつ意欲的なブログです。

初めての方には、パズルの「難易度」と見た目の「美しさ」を同じ土俵で評価して格付けを行うこと自体がしっくりこないかもしれません。これについては、まだ研究課題として残された問題があります。それ故、ここで取り上げる方法は画期的かつ意欲的であるわけです。

一年前の次のブログに説明があります。

              http://kmatsu5.blogspot.jp/2013/05/aaa4a.html

今回は朝日新聞5月10日の数独問題を取り上げます。

まずは、問題です。
Published level ★★★ 
Total point  98
Technical pt   57
Visual pt  41


 「難易度」と「見た目」の和で表される総合格付けは、BBB-になります。



この数独は、点対称で、2種類のクラスタから構成されています。

8粒子クラスターは pt=4 の美しいパターンのもので、多くの数独で見かけられます。

一方、4つの L字型クラスタもいくつかの組み合わせがあります。



ここに、使用されている数独の記号は、本の略号と問題番号です。



 同じ8粒子の中央にひし形を配した数独を紹介します。

                                           Rank=AA,     Total=151 (tech=85 , Visual=66)


 「世界一美しくて難しいナンプレ3」 001番  
       Total pt 151 
                        Technical pt  85,   Lovely  VQ
                        Visual pt  66 ( artistic 43,  creative 23 )


もう一つの例です。

                                           Rank=AA ,  Lovely , QQQ
                                           Total=152 ,  Tech =87, Visual=65
「数独通信」24号 84番

 この二つの問題が、ともに「美しい」ナンプレであることは、対称性にあります。

さらに、「世界で一番美しくて難しいナンプレ3」では、数字の配列にも工夫され、本の題名通りの「美しい」ナンプレになっています。

出題の問題もあと一工夫あれば、「美しい」ナンプレに変身できる筈です。