朝日新聞 6月23日(土) Be on Saturday C数独に掲載の次のパズルの数独格付けソフト”Ryuzenによる解析結果を紹介する。
Results of Ranking Analysis by " Ryuzen " of Asahi Newspaper Puzzle on 23th June.
Alias 62
Blood 92しA14Qm
Ranking A- 116 pt ( t 78 , a 22 , c 16 , v 38 )
Level 6 Lovely
Givens 22
Empty cells 59
avarage of frequency 2.44
standard deviation for digit distribution 0.53
candy matrix constructed 84
consumed time 18.15 s
(1) Technical point 78 pt
Playback notation J= Q
No of entrance 1 { B0 , R0 , C1 , M 1 }
Distance of C 1
Basic point 70 B48, R7, C4, M0
Deform point 8 Q 2
Crux point 1
① Step 2 ( 8, 9 )= 9 QbB Implicit Pair of Block 28 %
(2) Visual point 38 pt
Artistic point 22
pattern point 12
symmetry point 10 XY
Creative point 16
givens 6
sequence digit 10
今回のレベル
総合ランキングは A-の 116pointであるが、「難易度」が過去3か月の中で最も難しい★5、Technical point 78 であるのに対して、「見てくれ」は、Visual point 38 point と相当ひどい。中途半端な 9 grain cluster の採用もさることながら、数字のパターンや配置に関するCreative な工夫や努力が全く認められないのは残念である。
「難易度」に関して、初心者にわかりやすくこの問題を見てみよう。
本表は★4、★5の過去3カ月に掲載された問題のレベルを示したものである。今回の問題は右端にあり、同じレベルのものは3月17日にもあるが、Candy matrix を作る回数では最も多い。候補を見つけにくい問題ともいえる。
今回の問題のポイントはグラフで読み取れるように、最初の三手で決まる。
第一手
No of entrance (基本技でとれる場所)が一つしかなく、しかも、C1( Implicit single of column :レッツミー) である。
Column 9 (ウス緑で示したセル)において、表出数 ② により、×には入らないので、 ( 3, 9)= 2
がきまる。
第二手
Column 7 および Column 9 の表出数 ①および③により、Column 8 の(8,8)と(9,8)は、1と3の二つの候補によって占められます。(定員確定ともいいます)
その結果、Row 8 では、9の入る場所は、(8,9)=9 しかありません
第三手
同じく、Row 8 において、7の数字に注目すると、( 8, 6)= 7 しかありません。
あとは、基本技が最後まで続きます。ただ、Implicit single of Block (ブロッケン) だけでなく、途中Implicit single of Column(Row) :レッツミーを使うところが出てきます。グラフの18手目の黄色で示した二重枠 (1,8)=8 の少し勾配が急になっている所が「レッツミー」で決まります。二重枠もなかなかよい位置に配置されているのが伺われます。
”Ryuzen” の解析では、手筋の探索の順番を指定するようになっています。本解析では、基本技(B,R,C,M)の次に変形技(W,V,Q,G,P・・・重複を含めて123手筋)と解いてゆきます。
今回の問題では、第一手が、C、第二手が、Q で決まりました。探索の順番を変えれば、第二手からも求まるのがお分かり頂けるでしょう。
もう少し、この例を借りて”Ryuzen”による解法の構造を説明しましょう。最初に出てくる英語の「訳のわからない専門用語」を少しでも理解していただくために・・・・・
最初の段階で、全ての候補の一覧を表した Candy matrix は次のようになります。
この表から確かに Column 9 には、第一手の 2 という数字は (R3,C9)にしかないのがわかります。
さらに、Block 9では 1 と 3 は (R8,C8) と(R9,C8) しか現れません。ゆえに、( 8, 8) において、他の候補 5 7 9 (特に 9 )が消去され、Block 9 では、 single candidate になります。(8,9) = 9 が上表において、QbB で決まったという決まり手を表す記号となります。
最初の説明では、Column 8 において13 がpair candidate になると説明しました。これは、同時に QcR (または、QcB) でもあるからです。 PCでの検索は、B, R, C の順に行うようになっています。
第一手も第二手も、Candy matrix では、候補が他の候補と隠れて混ざってわかりにくいので、Hidden single、Hidden Pair と呼ばれています。”Ryuzen”の解析では、Candy matrix を数字でなく場所で表す g matrix が使われます。
この表し方では、 Block 9 ( B9) では、eh (小文字は Block内のセルの場所に対応)は、13で占有され、9 は e には入れないので、 f ( Block 9 の 6 番目の位置 ( 8, 8))に決まることがはっきりと(explicit)わかります。